ORCA結構つかえまっせ2

医療法人社団森小児科医院院長森洋一先生
所在地 京都府長岡京市
診療科目 小児科・内科・循環器科

ORCA結構つかえまっせ 1

京都府医師会会報 掲載コラム

ご承知のように、ORCAシステムは、PCのOSにLinuxを採用していますので、現時点では、ORCAシステム本体は、レセコンとしての使用しかできません。また、今回のシステムの機器構成にありますように、データのバックアップは、外付けHDに自動的に行われますので、特に手間は不要ですし、レセコンとしての使用と割り切れば、ノートPCの分は不要ですので、その分を除けば、100万円での導入となります(セール後の価格についてはわかりませんので悪しからず)。

また、ノートPCの分は、もっと安いものでも十分使えると思います。本体以外の端末でのORCAの操作が可能となるソフトは、何種類か市販されています。S社では、端末の使用に際しては、「RealVNC」というフリーソフトを使用して本体のORCAをリモート操作しているようです。最近は、こちらの方の情報には疎くなっておりますので、よくご存じの方は、お教えください。

導入時に、当院の既設のLANとの設定で若干問題があったようですが、それほど大きなトラブルではなく、納品後に再度技術者が来院してすぐに設定は上手くいきました。また、端末には、windowsをOSとして使用しているので、端末からの変更などは直接バックアップは出来ないとのことでしたが、少なくとも本体が稼働していないと端末も使用できないので大きな問題ではありません。さて、いよいよ導入となりましたが、9月末には本体は導入されていたのですが、端末のノートPCが納入されなかったので、予定より稼働が少し遅れました。従業員(パートも含めて操作指導を受けるため)を2組に分け、2回づつの講習を受けてもらいました。概ね、操作性についての違和感はなかったようで、誰もが、慣れれば使えるのではないかとの意見でした。ORCAについては、多くの医療機関で既存のレセコンとORCAの併用を数ヶ月以上やっておられます。しかし、ORCA導入に取りかかったのが、8月のお盆明けですので、早くても11月診療分12月請求分からとなります。本当は、9月診療分くらいから導入するのが、内科、小児科系の医療機関では暇な時期なのでよいのではないかと思います。

当院では、最近は種々の事情からいつも暇になっていますので、余り気にもせず、11月から行けるかと従業員に聞きますと、「大丈夫でしょう」との返事でしたので、当院では、大胆にも、両者の併用期間は全く置かずに、16年11月診療分からORCAによるレセコン稼働を開始しました。実際に稼働してというよりは、稼働前からわかっていたことですが、一番の課題は薬剤情報提供書のプリントアウトでした。

多くの先生方がごらんになったり使用されていることが多いと思いますが、A4の用紙に薬剤の見本がカラー印刷された、大きな用紙がORCAの基本的な薬剤情報提供書です。小児科では、水薬や散薬が多く、それも混合して処方しますので、水薬や散薬がそれぞれにカラー印刷されても全く意味がありません。

当院では、薬剤名だけで十分と判断してカラー印刷や薬剤の形態の印刷は不要としたのですが、実際にプリントアウトしてわかったことは、水薬などを分3で処方しても(10mlを分3としても)、そのようにはプリントアウトされず、朝1、昼1、夜1などと入力をしないと分3での表示がされません。

内科で成人を対象に錠剤を処方する場合には有効かも知れませんが、小児科では非常に不便だということがわかりました。また、水薬や散薬で何種類かを混合しますと、A4の用紙が何枚も出てきます。無駄なやり方だと思い、当初から、A5の用紙に、薬剤名と投与量と用法、効能、副作用などが出るような書式に変更を依頼しました。何とかA5サイズにプリントアウト出来るようになったのは、1ヶ月以上たった12月初めからでした。その内容にはやや不満もありますが、まずまず、希望通りのものとなったので現状では満足しております。

あと、小児科では、夜の6時以降は時間外扱いとなりますが、そのあたりの切り替え方、薬剤情報の処方薬剤数が8種類を超えるとA5用紙2枚へのプリントアウトとなり、少し時間がかかること、また、プリンタ絡みのトラブルが時々あるようです。プリンタのトラブルはLinuxのせいかもしれないと思っております。

月初めの集計事務においては、当初、返戻分の記載を行って修正するときに上手く印刷されなかったようですが、ベンダーとのやり取りでうまくいっているようです。しかし、修正のたびに合計しなおすようで、15分位かかってしまいます。ベンダーでも、正直なところは、ORCAがそれほど売れているわけではなく(基金ではORCA採用の医療機関は非常に少ないとのことです)、トラブルへの対応が可能なオペレーターも多くないと思われますが、現在の所は十分に対応していただいているようです。マイナーのヴァージョンアップについては、オンラインですでに一回行われたようですが、こちらの方も うまくいっております。

マニュアルが12月に使いやすいものに改定され日医から送付されてきました。日医の委員会でも、ORCAについては、その使用感の向上に力を入れるように要望しております。なんと言っても、当初は、オープンソースということで、PCに強い先生方が個人的に導入し、いろいろなご意見を活かして開発されてきたわけですが、商業ベースに持ってゆくためには、委員会でも指摘してきましたが、女性(差別的な気持ちは全くありません)従業員が、使いやすいものにしなくてはなりません。日医総研でも、今年と来年にかけてよりレセコンとして使いやすいものにシェープアップすることを目標としています。実際の使用感もまずまずです。

まさに、「ORCA結構つかえまっせ」という状況に入ってきたようです。日医のIT問題検討委員会の委員長としていうのではありませんが、開発から数年を経てようやくORCAは、使えるようになってきたと皆様にお勧めできるようになりました。

レセコンのリース切り替えが間近の先生方には、レセコン更新の選択肢の一つとしてご検討いただければと思います。レセ電算への対応も可能ですし、ORCA対応の電子カルテも沢山出てきています。今年は、府医でも『ORCA普及元年』になってほしいと思っています。

< 森小児科医院トップ | < ORCA 結構つかえまっせ 1

Copyright・ 2008 SAN-EI MEDISYS CO.,LTD. All Rights Reserved.